台湾への留学には、給付型(返済不要)の奨学金制度があります。
四大制の正規留学だけでなく、台湾華語(中国語)を学ぶための語学学校や、大学院生にも奨学金がある上、年齢の上限も比較的寛大です。
社会人でも奨学金の申請対象になる場合が多いため、台湾留学を決めたら、まずは奨学金の有無を確認しましょう。
2024年現在、台湾留学への奨学金は主に10種類あります。
この記事では、台湾留学の奨学金の種類と申請方法についてご紹介します。
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台湾の政府・団体が提供する台湾留学の奨学金
【年間160万円】教育部台湾奨学金(正規留学)
台湾の教育省が出している奨学金制度です。
正規留学を目指す学生がまず目指すのがこちらの奨学金です。
・応募資格
高校卒業以上で、その年の9月より台湾の大学または大学院に正規生として進学する予定がある、学業成績が優秀かつ品行方正な日本人
・申込期間
毎年2月〜3月末まで
・奨学金額
【大学生の場合】
学費:1学期4万台湾元(約18万円)
生活費:月額1万5,000台湾元(約6万7,500円)
【大学院生の場合】
学費:1学期4万台湾元(約18万円)
生活費:月額2万台湾元(約9万円)
・給付期間
大学生:4年以内
大学院生(修士課程):2年以内
大学院生(博士課程):4年以内
・定員
毎年20名(大学生、大学院生を含む)
・申請方法
一次選考は書類審査、一次選考に合格した場合は二次選考で面接があります。
*英語コース以外の申請には、TOCFL(台湾の中国語検定試験)の証明書が必須となります。申請を考えている方は事前にTOCFLの受験準備をして下さい
参照:教育省台湾奨学金
【年間120万円】教育部華語文奨学金(語学留学)
台湾の教育部が募集している奨学金制度です。
語学留学が対象の奨学金になります。
・応募資格
高等学校卒業以上で、その年の4月1日の時点で満18歳以上の者。
その年9月より台湾の教育部が認可した大学付属華語文センターで華語文を研修する予定のある、学業成績優秀かつ品行方正な日本人
・申込期間
毎年2月~3月末
・奨学金額
月額2万5,000台湾元(約12万円)
※学費等雑費は自費となります
・給付期間
2ヶ月以上1年以内
・定員
毎年12名
・申請方法
必要書類を準備して、郵送にて提出する
・選考方法
書類選考のみ
選考結果は7月上旬頃全応募者に通知される
参照:教育部華語文奨学金
【年間175万円】公益財団法人ロータリー米山記念奨学会(正規留学・大学院)
台湾の大学・大学院で学ぶ日本人向けの奨学金です。
日本のロータリークラブから奨学金を受けた方々によって設立された中華民国扶輪米山会が、日台の絆を深めるために作られました。正規留学者のみ申請が可能です。
・応募資格
2024年時点で1989年9月1日以降に生まれた(35 歳未満)で、日本国籍を持つ者。
申し込み時点ですでに台湾の大学院修士課程または博士課程に正規生として在籍している者。
新規入学の場合、入学許可書を提出出来る者。
心身共に健全な者。
学校での授業が英語で行われる場合であっても、中国語を学べる者(中華民国扶輪米山会のメンバーと交流する際、中国語が必要なため)
既に他の奨学金を受けていない方
・申込期間
毎年5月~6月頃
・奨学金額
月額2万5,000台湾元(約12万円)
毎月開かれる交流会にて、手渡されます。
※渡航費、学費、宿舎料等は自費となります。
・給付期間
12か月間
・定員
3~6名
・選考方法
書類選考、面接
一次選考として書類審査を行い、合格者のみ台湾で行われる二次選考の面接審査に参加できます。
・申請方法
必要書類をダウンロードし、窓口に郵送、及び電子ファイルをメールする。
参照:ロータリー米山記念奨学会
【年間380万円】社会人(外国人研究者)向けの奨学金
「台湾奨助金(Taiwan Fellowship)」という台湾外交部が創設した奨学金制度です。
主に台湾、両岸関係、中国大陸、アジア太平洋地域、漢学など社会科学分野の研究を進めている外国人研究者への研究支援が対象で、社会人向けの奨学金です。
・応募資格
海外の大学関連機関の外国人教授、准教授、助教授、博士研究員(ポスドク)、博士学位キャンディデート、博士課程の大学院生、学術機関同レベルの研究者で、台湾、両岸研究、中国大陸研究、アジア太平洋研究、漢学研究といった社会科学の分野を主に研究している者。
または台湾の駐外機関(台北駐日経済文化代表処等)が推薦する者であること。
※研究テーマは台湾の外交、両岸関係に限る。
現在すでに台湾で研究、教学、就学している場合は申請できない。
※正規留学、非正規留学、交換留学、語学留学は対象外です。
・申込期間
毎年5月~6月頃
・奨学金額
教授、准教授、研究員、副研究員:毎月6万台湾元
助教授、研究助手(助理研究員)、博士研究員(ポスドク)、博士学位キャンディデート、博士課程の大学院生及び駐外機関(台北駐日経済文化代表処等)が推薦する者:毎月5万台湾元
・給付期間
3か月から1年未満
・定員
若干名
・選考方法
書類選考のみ
申請書、履歴・経歴書、研究計画書等での審査になります。
・申請方法
①「台湾奨助金(Taiwan Fellowship)」ウェブサイトにて申請手続きをする
②必要書類を台北駐日経済文化代表処に郵送する
大学付属の語学学校独自の奨学金
台湾留学の給付型奨学金には、台湾政府や団体が提供しているもの以外に、大学付属
大学が提携する語学学校で学ぶ外国人向けに独自で提供しているものがあります。
ここでは3校の奨学金制度をご紹介します。
留学されたい大学が決まっている場合には、大学独自の奨学金制度があるか確認をしましょう。
国立師範大学
国立師範大学は台北市の中心にあり、外国人留学生が非常に多い大学です。
国立師範大学付属の語学学校では、「台北市国際交流中国語研修補助奨学金」という台北市独自の制度を利用することができます。
・応募資格
華僑身分を持たず、または中華民国国籍を持っていない方。
台北市の姉妹都市市民又は学生で、台北市で中国語研修や台北市に設置されている大学語学センターで就学したい、且つ他の奨学金を取得していない方。
・申込期間
毎年3月から4月頃
・奨学金額
月額2万5,000台湾元(約12万円)
(学費、宿泊費、渡航費等は自費となります)
・給付期間
6か月間
(申請年の9月~翌年の2月まで)
・定員
10名
・選考方法
書類審査
・申請方法
必要書類をサイトからダウンロードし、郵送もしくは電子メールにて提出する。
必要書類等、詳しい情報はこちらから(中国語、英語のみ)
国立成功大学
台湾成功大学は、台湾にある国立大学です。
台湾にある大学のなかで、TOP5に入る優秀な大学です。
国立成功大学では、以下の独自の奨学金制度を設けています。
・応募資格
成功大学の春期、もしくは秋期クラスの正規課程に参加される方。
最低6か月間在籍される方。
一学期の総成績の平均点が85点以上の方。
・奨学金額
毎月6,000台湾元
・給付期間
6か月間
・申請方法、必要書類等は語学センターのホームページにて随時更新されるため以下サイトから要確認。
逢甲大學
逢甲大学は、台中にある私立の大学です。
逢甲大学付属の語学学校では、独自で2種類の奨学金制度を設けています。
①華語中心獎學金
在籍中の生徒が、毎学期の授業態度や成績によって受け取ることのできる奨学金です。
・応募資格
語学センターのみで配布される申請用紙に記載があります。
・奨学金額
10,000元(学期毎)
・定員
3名程度
・申請方法
新学期が始まる約1か月前頃に公式インスタグラム、Facebookなどで申し込み開始のお知らせがあります。
申し込み希望の方は、語学センター職員室へ足を運び、申込用紙を受け取り、申し込んでください。
申込期間が比較的短いためご注意ください。
※2024年秋期クラスの募集期間は、8月12~16日の4日間のみでした。
②TOCFL奨学金
・応募資格
学校指定の級に合格した人
・奨学金額
3000元
実際に通学されていた方のブログ:https://huali.hatenablog.com/entry/2022/01/12/080000
日本の企業・団体が提供する台湾留学の奨学金
次に、日本の政府や団体が提供する給付型(返済不要)の台湾留学奨学金を紹介します。
【年間240万円】沖縄県民の台湾奨学金
沖縄県民の学生で、台湾を含む海外へ正規留学する人が対象の「りゅうぎん海外留学支援制度」があります。海外の大学、大学院の他に高校留学をする人向けの奨学金もあります。
交換留学や語学留学は対象外で、正規留学のみが対象となります。
以下は大学、大学院への進学について紹介します。
・応募資格
日本国籍所持者で、以下のいずれかに該当する高校3年生以上の者。
沖縄県に本籍を有し、過去または現在において、沖縄県に3年以上居住実績のある者。
沖縄県に住所を有し、2023年5月1日現在継続して2年以上沖縄県に居住している者。
・申込期間
毎年5〜6月頃
(2024年は5月1日~6月16日まで)
・奨学金額
月額20万円、年間240万円
・給付期間
1〜2年間
・定員
1、2名程度
・申請方法
必要書類を郵送にて提出する
・選考方法
書類審査、面接
一次選考(書類審査)合格者のみ、二次選考の面接が行われる。
二次選考では個人面接の他に、留学先の母国語でのスピーチや適性検査も実施される。
参照:「りゅうぎん海外留学支援事業」(大学・大学院留学) | 留学奨学金検索 | トビタテ!留学JAPAN | 文部科学省 (jasso.go.jp)
参照:2024年度「りゅうぎん海外留学支援事業」海外留学派遣 (eiljapan.org)
【年間36万円】東華教育文化交流財団(正規留学・大学院)
日本から中国、台湾の大学及び大学院へ留学に行く学生向けの奨学金制度です。
・応募資格
申し込み時点で中国(台湾、香港、マカオを含む)の大学本科3年生以上または大学院に在学中、入学予定の私費留学生で、留学生活上経済上援助を必要とすると認められた者。
学力優秀で身体健康な者。
・申込期間
毎年6月頃
(2024年は6月1~15日)
・奨学金額
月額3万円
・給付期間
9月から翌年の8月までの1年以内。
※選考審査委員会に推薦され、理事会の承認を得た場合は通算2年を超えない範囲で継続支給されることもあります。
・定員
若干名
・選考方法
書類審査のみ
(2024年度は7月末日までに応募者に審査結果が届きました)
・申請方法
必要書類をサイトからダウンロードし、郵送にて提出する。
参照:東華教育文化交流財団
【年間208万円】JASSO・海外留学のための奨学金
台湾を含む海外の大学に進学され、学位取得を目指す方向けの奨学金制度です。
・応募資格
日本国籍を有する者又は日本への永住が許可されている者で、成績優秀な者
留学先大学での主たる使用言語の能力(台湾の場合は中国語もしくは英語)が、次に掲げる水準以上である者
① 留学先大学での主たる使用言語が英語である者
応募時までに受験した英語能力試験の得点で、TOEFL iBT (Internet-based Test)の得点 が80点、又はIELTS 6.0(Academic Module Overall Band Score)以上の水準を満たす者
② 留学先大学での主たる使用言語が英語以外である者
応募時までに受験した主たる使用言語の語学能力試験の得点が、ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)B2レベル以上(TOCFUL B2レベル以上)である者
※留学先大学が求める語学能力にかかわらず、上記基準を満たしていることが応募の条 件となります。
・申込期間
毎年9~10月頃
・奨学金額
留学先の国、地域によって異なります
参考までに中国、韓国へ留学へ行く場合の金額:毎月174,000 円
※新規採用者のみ、支援開始時に渡航支援金16万円を支給される。
・給付期間
4年間
・定員
未定
(2024年度の採用人数は100名)
・選考方法
書類審査、面接審査
一次選考で書類審査を行い、合格者のみ二次選考の面接審査が行われます。
(2025年度はオンラインで行われる予定です)
・申請方法
①学位応募システムの事前登録を行う
②必要書類をダウンロードし、提出する
2025年度海外留学支援制度(学部学位取得型)募集要項 (jasso.go.jp)
【年間710万円】中島記念国際交流財団
海外の大学院へ、修士号か博士号を取得する目的で留学する日本人に向けた返済不要の奨学金制度です。
4年制大学へ正規留学する方、交換留学の方、語学留学の方は対象ではありません。
・応募資格
30歳以下で、海外(台湾を含む)の大学院で
①情報科学分野
②生命科学分野
③経営科学分野
以上の3分野のどれかを研究し、修士号もしくは博士号を取得する予定で、新たに留学を開始する方。
・申込期間
毎年6〜8月頃
(2025年度の募集は8月1~20日に行われました。)
・奨学金額
月額30万円
この他に以下の支援額があります。
◆支度金50万円(往路渡航費含む)
◆復路航空賃(留学終了後の帰国時1回分)
◆授業料(留学当初の2年間に限り、年間上限300万円以内)
・給付期間
博士号取得希望者:最長5年
修士号取得希望者:最長2年
・定員
10名ほど
・選考方法
書類選考のみ
・申請方法
サイトから申請書等、必要書類をダウンロードし、郵送する。
【年間200万円】国際開発機構 (FASID) 奨学金
国内外の国際開発関連分野で博士の学位取得を目指す日本人人材への支援を通じ、高度なレベルの人材育成の促進を目指して行われている奨学金制度です。
国内外の大学院(台湾を含む)における博士の学位取得を支援する給付型の奨学金です。
※新規入学、既入学者どちらも対象です。
・応募資格
日本国籍を所持しており、大学院在籍者及び大学院からの入学許可がでている方。
博士号取得後は、日本国内及び海外の国際開発機構で働く意思のある方。
・申込期間
12~2月頃
(2024年度は2023年12月~2月5日まででした)
・奨学金額
月額5万円
年額200万円給付(上限):入学金、授業料、研究費
・給付期間
最長3年間
・定員
若干名
・選考方法
書類審査、面接(書類審査合格者のみ)
・申請方法
必要書類を郵送にて提出する。
海外在住で郵送が困難な場合のみemailでの提出が認められます。その際は事前登録が必要ですのでご確認してください。
まとめ
台湾には数多くの留学生向け奨学金制度があります。
返済する必要のない給付型となっているため、働くことができない留学生にとって、とてもありがたい制度です。
奨学金制度を利用し、有意義な留学生活を送りましょう!