「台湾留学」と聞くと、中国語?台湾語?何語を話すの?とイメージが沸かない人も多いのではないでしょうか。台湾の公用語は、中国語(台湾華語)、次に台湾語ですが、実は英語教育が非常に重視されています。

 

台湾の大学では、通常授業は中国語で行われますが、教科書は全て英語で書かれているため英語力が必要不可欠です。卒業にはTOEICのスコアも要求されます。

 

ほかにも、全ての授業を英語で受講しながら学位を取得できる「All English(全英授業プログラム)」を取り入れている大学もあります。

 

語学留学、正規留学、いずれの場合でも日常的に英語・中国語を使うことになるため、台湾留学では常に2ヶ国語を学ぶ機会があります。

 

台湾の大学では、教科書が英語表記

台湾の大学では、学部、学科、コースによって英語の教科書を使用して授業が行われるケースがあります。

 

特に理数系の授業ではほとんどの教科書が英語で書かれており、テストの際に英語で数式の証明や説明を求められることがあります。

教科書は英語ですが、授業自体は中国語で進められる場合もあります。

 

また、文系の学科であっても、英語で授業が行われることがあります。

例えば、心理学部の授業ではほとんど英語の教科書を使用します。

教科書は英語で、実際の授業は教授が中国語で説明を行います。

 

予習、復習をする時に使う授業資料や中間、期末テストは全て英語で進められるため、高い長文読解力が求められます。

日本の学校に通っていた時よりも英語の意味を調べる時間が格段に増え、自然と英語力が向上します。

台湾の語学留学でも英語力が伸びる

台湾への語学留学に行く人は、中国語(台湾華語)を学ぶことを目的にしている方がほとんどかと思いますが、英語力を伸ばすことも可能です。

 

台湾の語学学校には、大学附属や私立の語学学校が複数ありますが、クラスメイトはもちろん日本人だけではありません。台湾へ留学する学生の国籍は、多い順に、ベトナム、マレーシア、インドネシアの東南アジアが多く、アメリカ、カナダ、ヨーロッパからの学生もいます。

 

中国語をこれから学ぶ場合、他の国の学生とコミュニケーションをとる場合は英語で会話することになります。また、台湾留学時にはアパートを借りて一人暮らしをするだけでなく、学生寮に入ったり、外国人学生が多く集まるシェアハウスを利用することもあるのではないでしょうか。

 

そのため、たとえ中国語(台湾華語)の語学留学であっても、英語力は伸びます。

 

「英語」で学位が取れる台湾の正規留学「All English(全英授業プログラム」とは

英語教育に非常に力を入れており、外国人留学生の積極的な受け入れを行う台湾には、全ての学位を英語で取得することが出来る「All English(全英授業プログラム)」が存在します。

部分的に英語で授業が進められる通常の大学授業とは異なり、教科書から授業、試験など全てが英語で進められます。

 

他の学科の学生に比べると、英語力が非常に高くなります。

その反面、中国語(台湾華語)に関しては触れる機会が少なくなるため、学校の外で積極的に勉強し、使うなど努力をして身につける必要があります。

 

All Englishの学科でも通常は中国語の授業がありますが、中国語「で」学問を学ぶのではなく、あくまで「中国語」を学ぶクラスになります。

 

以下では、「All Enlglish(全英授業プログラム)」を採用している台湾の大学のうち、特徴的なコースを一部紹介します。

 

「全英授業プログラム」を採用している台湾の大学

国立大学

國立台灣大學

國際半導體學位學程

日本国籍者を含む外国人留学生、華僑生向けの学部で、主に半導体について学ぶことができます。

英語教育だけではなく、中国語教育にも力をいれており、卒業までにTOCFUL B1(中国語中級レベル)を取得する必要があります。

その他にも文系では政治学部や経済学部など、「全英授業プログラム」の学部・学科はいくつかあります。

國立清華大學

国際学士班 乙組

2019年にできたばかりの学部で、清華大学で唯一、外国人留学生のみが入学できる学部です。

中国語を基礎から学ぶ甲組(文系)の他に、オールイングリッシュ課程の乙組(理系)があります。エンジニアリング、ビジネスマネージメント、コンピューターサイエンスの3つの専攻から選ぶことができ、英語が勉強出来るだけではなく、自分の興味がある分野をより深く学ぶことができます。

新竹サイエンスパークの近くに位置し、半導体学が有名な清華大学ならではの学部です。

國立台灣師範大學

全球研究全英語學士學位學程

2023年に新設されたばかりの学部です。

外国人留学生の入学も寛大ですが、入試の際にCFER B2以上(英検準一から一級程度)レベルの証明書を提出する必要があります。

必修単位である国際政治や国際関係学、社会科学に加えて選択科目で国際マーケティングやメディアについての研究など広い範囲のことを学ぶことができます。

また経済学や統計学などの理系科目も選択できるため、文系、理系専攻問わず学べることが魅力です。

 

私立大学

銘傳大學

銘傳大學 國際企業與貿易學士學位學程

企業實習 | 國際企業學系

アメリカで初めてオールイングリッシュ課程の承認を受けた大学のひとつです。

また、国際マーケティング学に重きを置いており、就職にも力をいれています。

大学4年生になると、必修単位に「インターン(実習)」があり、早いうちから大学で学んだことを活かし、自分に合った進路を見つけることができます。

 

卒業後は海外の大学院へ渡り、管理学や金融学を学ぶ生徒が多いです。就職にも強く、多くの卒業生が金融関係や国際貿易、証券関係の仕事に進んでいます。

淡江大學

國際企業學系國際商學全英語學士班 

留学生に人気な大学のひとつである淡江大学では多くの学部でオールイングリッシュで授業を受けることが可能です。

学士号(4年制大学)がとれる国際商学部では、中国語で授業が行われるA班と、オールイングリッシュ課程のB班があります。

 

中国語でのコミュニケーション力を養うための「中國語文能力表達」という授業も必修単位のひとつとなっているため、英語と中国語の両方を学ぶことができます。

 

また、台湾人学生のみですが3年生になると海外の姉妹校へ留学することになっているため、高水準の英語力を手に入れることができます。

 

そのほか、All English(全英)で受講できる台湾の大学の学科一覧をご覧になりたい方は、こちらからご確認ください。

 

参照:全英で受講できる台湾の大学の学科一覧

 

台湾留学で英語と中国語両方を伸ばすには努力が不可欠

台湾留学では、語学留学や正規留学に関わらず、外国で生活する中で、日本で暮らすよりも英語力が身につきやすいでしょう。

英語を話すのに抵抗は少なくなり、正規留学の場合には、全英授業プログラムの受講生でなくともリーディング力は確実に上がるでしょう。

全英授業プログラムの学生は言うまでもなく、間違いなく英語力が伸びます。

 

しかし、中国語(台湾華語)と英語を両方伸ばすには、努力が不可欠です。

英語にフォーカスして台湾留学を検討する方は、日常で困らない程度の中国語(台湾華語)を別に身につける必要があります。

大學の勉強だけで足りない場合には、台湾華語オンラインレッスンや大学とは別で語学学校に通うのもおすすめです。

 

ぜひ、台湾留学中に英語と中国語の両方を身につけて、トリリンガルを目指しましょう。