台湾では、2025年から新たに3日の祝日が新設されました。
その一つである「光復節(こうふくせつ / Guāngfù jié)」は、台湾が第二次世界大戦後に日本の統治から離れ、中華民国へ復帰したことを記念する日です。
これまで公的行事としては存在していたものの、2025年から正式に国定祝日として追加されました。2025年以降、10月25日が光復節として祝日となります。
今年は10月25日が土曜日にあたるため、24日が振替休日となります。
この記事では、光復節とは何か?、当日の台湾の様子、そして日本との関係について解説します。
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光復節は、日本統治からの復帰(解放)を記念する日
台湾の歴史をおさらい
台湾は1895年から1945年までの50年間もの間、日本に統治されていたという歴史があります。日清戦争というと聞きなじみのある方もいると思いますが、1895年の日清戦争で勝利した日本に、下関条約で清朝から割譲されたのが統治の台湾でした。
その後、1945年に第二次世界大戦の日本の敗戦と共に、台湾は中華民国に返還されました。
「光復節」の意味
「光復」とは、中国語で「光を取り戻す」や「失われたものが回復する」という意味があります。
台湾では「光復」という単語自体を、「日本の統治から台湾が中華民国へ復帰したこと」を象徴する言葉として使っています。
10月25日は、1945年に行われた「台湾光復式典」を起源とし、翌年の1946年から2000年までの間、正式に台湾の祝日として制定されていました。
2001年以降台湾政府が行った「働き方改革」による祝日調整で、光復節は祝日ではなくなりました。
今回新設された「光復節」の正式名称は、「台灣光復暨金門古寧頭大捷紀念日」といいます。
これは、当初の光復節に加え、1949年10月25日に中華民国(台湾)が中国からの金門占領を阻止したとされる古寧頭戦役(こねいとうせんえき)を併せて記念するために制定されています。
韓国の「光復節」との違い
同じアジアの中では、韓国にも「光復節」という記念日があります。
韓国もまた、日本に統治されていた時代がありました。
日清・日露戦争に勝利した日本は1910年に韓国を統治下におきます。
韓国では36年間植民地支配が続き、台湾と同様に日本人同化運動や神社参拝などが行われていました。
その後、1945年のポツダム会談で独立が認められ、同年の8月15日に解放されました。
そのため、韓国の光復節は8月15日に制定されています。
台湾と韓国の光復節は同じく日本からの解放を記念する日ですが、日付が異なることと、台湾では古寧頭戦役(こねいとうせんえき)も併せて記念する日になっています。
台湾の光復節での行事は?
台北市内
光復節当日は、中華民國中央軍事院校校友總會、中華民族抗日戰爭紀念協會により台北市の中山堂で光復80年を記念したイベントが行われました。
台北信義區(台湾で一番高層ビルなどが多い繁華街エリア)のショッピングモール外のクリスマスイルミネーションは毎年圧巻!
クリスマスをすぎて旧正月頃の飾り付けが始まるまで飾られるのも、台湾の風物詩です。
金門県
2025年10月25日、金門県の金門防衛指揮部が太武山公墓で「古寧頭戰役76週年追悼紀念活動」を開催しました。県長や指揮官の方々が参加し、戦役で犠牲になった兵を追悼しました。
式典では、列席者による献花など、戦役の犠牲に対する敬意を表す儀式も行われました。
また2025年10月18日には、金門県の閩聲愛樂協會が「太武雄風再現~古寧頭戰役七十六週年紀念音樂會」を太武山擎天廳で開催しています。
2025年の光復節は土曜日の振替休日として金曜日を予定しています。連休中は観光スポットなどで混雑が予想されますので、外出の際は交通に注意しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
「光復節」は、日本からの復帰を記念する日です。
日本と台湾は現在、政府・民間の両面で非常に良好な関係を築いていますが、台湾人のほとんどが日本統治時代について知っているように、日本人も過去の歴史を丁寧に学び、尊重する必要があります。
また、実際に台湾で文化行事や人々の想いに触れることで、より深く台湾という国を理解できるでしょう。
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