「国慶節(こっけいせつ / Guóqìng jié)」とは、台湾の建国記念日を祝う重要な祝日で、「雙十節(ダブルテンデー/ Shuāng shí jié)」とも呼ばれます。
台湾の国慶節は毎年10月10日に行われ、台湾全土で式典やパレードが行われます。2025年の国慶節は、10月10日(金)です。

この記事では、台湾の国慶節について、中国の国慶節との違い、当日の過ごし方や注意点についてご紹介します。

台湾の国慶節とは?

国慶節は一般的に、台湾(中華民国)の建国記念日として扱われ、国家行事としては最も盛大に祝われます。国慶節とは別に、台湾には1月1日にも「建国記念」を祝う国民の祝日があります。

いずれも建国を祝うものですが、国慶節は、1911年10月10日の武昌起義(辛亥革命の発端)が当時の政権「清朝」打倒し、中華民国の建国に繋がったとして、「国の誕生日」として大々的に祝われます。

それに対して、1月1日は1912年の同日に中華民国政府が南京で成立し、孫文が臨時大総統に就任した日にあたり、「中華民国が法的に成立した日」を指しています。
開国記念日として位置付けられていますが、国慶節ほど盛大ではなく、元旦とも重なるため近年では新年を祝う意味合いが強くなっています。

台湾と中国の国慶節の違い

台湾と中国の国慶節の違いは、国の由来にまで遡ります。
台湾の国慶節は、1911年に発生した辛亥革命を記念する日です。
この革命がきっかけとなり清朝が倒れ、中華民国が成立したため、台湾では毎年10月10日に建国を祝います。祝日は10月10日の1日のみです。

いっぽう、中国(中華人民共和国)の国慶節は、1949年10月1日に毛沢東が天安門広場で建国を宣言したことに由来します。
この日を「建国記念日」として定め、毎年10月1日から7日までの7日間が国慶節の連休(ゴールデンウィーク)となっています。期間中は旅行や帰省をする人が多く、旧正月に続く、中国の2大連休となっています。

台湾の国慶節は「中華民国の成立を記念する日」、中国の国慶節は「中華人民共和国の成立を記念する日」です。両者の違いは、現在の台湾と中国の政治的立場にもつながっており、それぞれの祝日には異なる歴史的背景と過ごし方があります。

台湾の国慶節は連休がない?

2025年の国慶節は10月10日(金)の1日だけが祝日です。
中国の国慶節と異なり、台湾では大型連休にはなりません。ただし、2025年は10日が金曜日のため、週末と合わせて3連休となります。
また、10月6日(月)が中秋節の祝日にあたり、10月4日(土)〜6日(月)は3連休となります。もし10月7日〜9日の平日3日間を休みにすれば、国慶節とつなげて最大10連休を取ることも可能です。

台湾では大型連休になると、国内では、南部や離島、もしくは海外旅行へ出かける人が増え、交通機関や観光地は非常に混雑します。
特に台湾南部や離島への旅行を検討されている方は、航空券や高速鉄道、宿泊先を早めに確保しておくと安心です。

台湾の国慶節の見どころ

台湾の国慶節で最も有名なのは、台北・総統府前で行われる記念式典です。

総統府とは、台湾における中華民国の総統(総理大臣に相当)と副総理の執務や官邸機能を兼ねており、日本でいう「首相官邸」や「国会議事堂」を合わせたような象徴性を持つ、政治を象徴する建物です。

総統府の記念式典では毎年、圧巻の軍事パレードのほか国内外からの文化公演、伝統舞踊、航空ショーなどが披露され、テレビでも中継で配信がされます。
記念式典は予約制で、例年抽選で一般の当選者が見学することができます。

2025年10月10日に行われる総統府の記念式典は9月4日から11日までの応募が始まっており、募集人数は500人です。
抽選に当たらなくても、10月6日に行われるリハーサルは無料で誰でも見ることができます。

また、台北以外でも台中や南投縣など台湾各地で国慶節を祝う花火大会やコンサートが行われます。

ほかにも、街中では国慶節の1週間ほど前から当日まで、国道など至るところで中華民国の国旗が飾られます。

10月10日に台湾を訪れることがあれば、ぜひ当日に開催されるイベントをチェックしてみましょう。

まとめ

いかがでしたか?
台湾の国慶節は、建国を祝う台湾最大級の祝日で、2025年は10月10日(金)に開催されます。今年は土日を含めて3連休となるため、総統府での式典や各地の花火大会など、台湾ならではの熱気を体感できるしょう。

旅行や留学で台湾を訪れる方は、この時期の文化行事を知っておくことで、現地の人々との交流がより深まり、台湾生活をいっそう楽しむことができます。

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