台湾の定期券は日本と異なり、指定地域が月額の定額料金で利用できる仕組みになっています。

元々日本に比べ交通費の安い台湾ですが、企業の福利厚生として「交通費」は支給されません。バイク通勤・通学の在住者も多いですが、普段から公共の乗り物を使う方にはTPASSと呼ばれる定期券の利用がおトクです。

この記事では、台湾の定期券の仕組みや利用できる範囲、買い方、使い方を解説します。

台湾の定期券「T PASS」とは?

毎月電車やバスなどの公共の乗り物を11回以上使う人には、おトクになるとされている定期券です。

導入の大きな目的のひとつは、交通事故の削減です。台湾の交通ルールは長年問題しされており、車やバスのマナー違反による交通事故が後を立ちません。人口比での交通事故の確率は、日本の10倍とも言われています。

また、台湾では福利厚生として交通費の支給がありません。そのため、利用者が少しでも安く公共機関を利用できるよう導入されました。

TPASSが利用可能な交通手段

TPASS定期券は、以下の交通手段で利用ができます。

 

  • 台北メトロ、桃園メトロなど
  • 各市の市内バス(公車)
  • 長距離バス(客運)
  • 台湾鉄道
  • モノレール
  • Youbike
  • フェリー

台湾の定期券「T PASS」の種類

台湾 TPASS

台湾の定期券T PASSは現在11の地域に分かれて販売されており、金額も、使える範囲もそれぞれ異なります[1]

基北北桃生活圈

利用数が最も多くメジャーなのが、首都の台北と新北市、国際空港のある桃園市、北部の基隆市で使える「基北北桃生活圈」の定期券です。

金額は1,200元(約6,000円)と良心的で、高鐵(台湾新幹線)を除く全ての乗り物で利用ができます。

基隆市内のみに使える定期券を購入する場合は、288元(約1,440円)で購入できます。
※2025年8月現在1元=5円

その他の地域と利用可能な範囲、金額は以下をご参考ください[2]

TPASS定期券の月額利用料金

※2025年8月現在1元=5円

プラン(利用可能エリア)月額料金カードデザイン
基北北桃
(基隆市、台北市、新北市、桃園市)
1200元台湾 TPASS
基隆市のみの場合288元
桃竹竹苗
(桃園市、新竹縣市、苗栗縣市)
1200元台湾 TPASS
桃竹竹
(桃園市、新竹縣市)
799元
竹竹苗
(新竹縣市、苗栗縣市)
699元
竹竹
(新竹市内のみの場合)
288元
中彰投苗
(台中市、彰化縣、南投縣、苗栗縣市)
※台中市民
699元台湾 TPASS
中彰投苗
(台中市、彰化縣、南投縣、苗栗縣市)
※非台中市民
999元
台中市のみの場合
※台中市民
299元
台中市のみの場合
※非台中市民
599元
彰化縣699元
南投縣699元
雲林縣
(彰化・嘉義の台湾鉄道を除く場合)
199元台湾 TPASS
雲林縣
(彰化・嘉義の鉄道7駅区間を含む場合)
399元
嘉義縣市399元台湾 TPASS
南高屏
(台南市、高雄市、屏東縣)
999元台湾 TPASS
台南市
(台湾鉄道を除く)
299元
台南市
(台湾鉄道を含む)
399元
高雄市399元
屏東縣
(台湾鉄道を除く)
299元
屏東縣
(台湾鉄道を含む)
399元
北北宜
(台北市,新北市、宜蘭縣)
1800元台湾 TPASS
北北宜
(基隆市、桃園市も追加する場合)
2300元
宜蘭縣750元
花蓮縣
(花東長距離バスを含まない場合)
199元台湾 TPASS
花蓮縣
(花東長距離バスを含む場合)
399元
台東縣299元

台湾の定期券T PASS1.0と2.0の違い

TPASSには、TPASS1.0とTPASS2.0の2種類あります。

TPASS1.0は一般的な定期券で、上記で記載したエリアで30日間交通機関が乗り放題になる仕組みです。
T PASS2.0は定期券ではなく、利用回数に応じて交通費がキャッシュバックされる仕組みです。
長距離バスや市内バスでは、毎月11回〜30回利用すると15%還元され、31回を超えると30%還元されます。

その他の台鉄や市内地下鉄では、毎月の利用回数が11回を超えると2%還元されます。

TPASS1.0
・購入後に利用できる
・特定の生活圏内のみ
・購入したTPASSの範囲内の交通機関で利用可
・記名式に登録すると、TPASS2.0との併用も可能
TPASS2.0
・先に登録してから、利用回数に応じてキャッシュバック
・台湾全土で利用可
・長距離バス、市内バスは最高15%~30%の還元
・台鉄、地下鉄は2%還元

台湾の定期券「T PASS」の購入方法

T PASS1.0 の購入場所とチャージ先は、それぞれの地域によって定められています。

T PASSのカードは単体でも購入ができますが、手持ちの悠遊卡(ヨウヨウカー)や一卡通(ipassカード)などの交通ICカードに紐付けも可能です。

※南高屏(台南市、高雄市、屏東縣)エリアの場合は、一卡通(ipassカード)のみで紐付けできます。ipassカードをお持ちでない方は、100元でTPASSカードの購入が必要です

TPASS2.0を利用する場合は、今使っているカード(悠遊カード、ipass、icash)をWebサイト[3]で記名式カードに登録する必要があります。

登録の際は、交通系カードの番号、氏名、生年月日、居留証番号、電話番号の情報が必要です。
また、既に購入済みのTPASS1.0にも2.0のサービスを追加することができます。

プラン販売窓口チャージ場所
基北北桃MRT駅、ライトレール駅、コンビニ(セブン・ファミマ・ハイライフ・OKマート)台湾鉄道駅、MRT駅、ライトレール駅
桃竹竹苗桃園市、新竹縣市、苗栗市内の鉄道駅、桃園MRT、新竹バスターミナル、新竹縣政府
新竹縣・苗栗縣鄉の市役所、新竹苗栗バスターミナルなど
桃園市、新竹縣市、苗栗市内の鉄道駅、新竹バスターミナル
桃園メトロのA7〜A22区間の駅、新竹・苗栗の市役所
中彰投苗MRT駅、コンビニ(セブン・ファミマ・ハイライフ・OKマート)台湾鉄道駅、バスターミナル駅、MRT駅、臺中・南投・苗栗の市役所
南高屏MRT駅、バスターミナル、臺南市の市役所、コンビニ(セブン・ファミマ・OKマート)MRT駅、台湾鉄道駅
北北宜宜蘭、礁溪、羅東のバスターミナル
台北駅、市政府駅、南港駅、板橋バスターミナル、科技大樓駅
左の販売所に同じ

【FAQ】台湾定期券「T PASS」のよくある質問

Q:乗れるのはMRTとバスだけ?

A:高鐵(新幹線)以外の全ての公共機関の乗り物が対象です。具体的には、MRT、台鐵(台湾鉄道)、輕軌(ライトレール)、youbike(レンタル自転車)、客運(長距離バス)で利用が可能です。


Q:交通系カードは使える?

A:悠遊カードやipass、icashに設定すると使用することができます。


Q:記名登録に必要な情報は?

A:交通系カード番号、氏名、生年月日、居留証番号、電話番号の入力が必要です。


Q:TPARR2.0の還元金はいつ受け取れるの?

A:当月の還元は翌月の25日から受け取ることができます。毎月の還元額は各交通系カード会社のサイトで確認することができます。


Q:外国人でも買える?

A:台湾の居留証と電話番号があれば、どなたでも買うことができます。


Q:TPASS単体のカードを購入した場合のデポジット100元はどうやって戻ってくるの?

A:TPASS定期券を購入後、各交通系カードのサイトまたはこちらのサイトでカードへの記名手続きを行ってください。 その後、記名完了の通知を受け取った後、コンビニでカードを使うかチャージをすると100元がカードに直接返金されます。

まとめ

台湾では地域によって定期券の種類が分かれています。また、2025年からはT PASS2.0がリリースされ、交通機関での移動がよりリーズナブルに、便利になりました。

最近では新しいキャッシュバック制度も追加されて以前よりさらに便利になりました。
台湾に留学されている方、仕事でよく交通機関を利用される方はぜひこちらの記事を参考にしてみてください。

今回紹介したTPASS以外でも台湾生活での質問や不安なことなどありましたら、お気軽に台湾トークにお問い合わせください。

脚注