「一點」と「有點」の使い分けについては、中国語学習者がよく悩まれる疑問の一つです。
どちらも日本語でいう「ちょっと」という意味なのですが、使われる場面が明確に違うので、どういう時にどちらを使うのか、はっきり理解しておきましょう。
覚えるときには、できるだけたくさんの例文を見て、実際にどういう場面で使われるのかをイメージしながら覚えると良いです。
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有點(yǒudiǎn)が使われる場合
まず分かりやすい「有點」から説明します。「有一點」も同義語です。使われる形は「有點 + 形容詞(ネガティブな意味)」というように、形容詞の前に付けて「ちょっと〜」という副詞としての役割があります。
ポイントは自分にとって「好ましくない、嫌だな」と思う場合に使います。
①這個菜有點辣。 zhè gè cài yǒu diǎn là.
(この料理、ちょっと辛いな)
②這件衣服有點小。 zhè jiàn yī fú yǒu diǎn xiǎo.
(この服、ちょっと小さいな)
③今天有點熱。 jīn tiān yǒu diǎn rè.
(今日ちょっと暑いな)
このように、「有點」を付けることでちょっとネガティブな印象になります。
一點(yīdiǎn)が使われる場合
次に「一點」を使う場合なのですが、こちらの方は「有點」よりも用法が複数あるので、覚える内容が比較的多く、学習者が混乱する原因にもなっています。なので、まずは一つ一つ細かく理解することが大事です。
「動詞 + 一點」:動作に関わる物事の量が少ないことを表す
①這個果汁很好喝!你也喝一點吧。 zhège guǒzhī hěn hǎohē! nǐ yě hē yìdiǎn ba.
(このジュース美味しい!あなたもちょっと飲んでみて)
②我會說一點中文。 wǒ huì shuō yìdiǎn zhōngwén.
(私はちょっと中国語を話せます)
「形容詞 + 一點」:状態の軽さを表す(比較の差も表す)
①你明天早一點過來,好不好? nǐ míngtiān zǎo yìdiǎn guòlái, hǎo bu hǎo?
(あなた、明日ちょっと早く来てもらってもいいですか?)
②有没有再大一點的嗎? yǒu méi yǒu zài dà yìdiǎn de ma?
(もうちょっと大きいのはありますか?)
③我比你年輕一點。 wǒ bǐ nǐ niánqīng yìdiǎn.
(私はあなたよりちょっと若いです)
「単独」で使う場合:「ちょっと」という意味の名詞として扱う
①一點就好。 yìdiǎn jiù hǎo.
(ちょっとでいいです)
②我要一點點。 wǒ yào yìdiǎndiǎn.
(ちょっとだけください)
※「一點點」のように、「點」を重ねた場合、より「ちょっと」というニュアンスが強くなり、より量が少なくなるイメージです。
【まとめ】「一點」と「有點」の使い分け
「“有點” + 形容詞」と「形容詞/動詞 + “一點”」の語順が違うこと、そして意味合いが違うこと、この2点をしっかり理解した上で、ネイティブが実際にどのように使い分けているのかを意識してみましょう。
そうすることで、自分が使うときもそれを真似して使えるようになります。