台湾華語(中国語)の読み方(発音記号)は、ピンインと注音の2種類で学べます。
多くの中国語学習者はピンインで中国語を学びます。
台湾の大学付属の語学センターでもピンインで授業を行います。しかし、台湾人はピンインを使わず、注音を使う人がほとんどです。
日本人が、台湾華語(中国語)の発音記号を学ぶなら、注音よりもピンインがおすすめです。
以下ではピンインと注音の違い、またピンインでの学習をおすすめする理由を紹介します。
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ピンインと注音の違い
ピンイン(拼音)とは
ピンインは、中国で使われる発音記号です。
中国政府に認可された表記システムで、国際的に広く普及しています。
外国人が中国語を学ぶ際はピンインを学ぶことがほとんどです。
また中国人と外国人以外に、人口の7割が中華系民族であるシンガポールやマレーシアでも使われています。
注音とは
一方、注音は台湾のみで使われている発音記号です。
台湾では文字の読み方としてひらがなと同じように「注音」を学ぶため、ピンインを使うことはありません。
台湾の道路標識では、漢字の下にローマ字が書かれていることがありますが、これはピンインとは別物です。
ウェード式表記と呼ばれる、中華民国時代にイギリスから入ってきたアルファベットの表示方法で、実用性がなく読めない台湾人も多いです。
※ウェード式についてはこちらを参照
ピンインは参考書や教科書が豊富
中国語の学習にピンインをおすすめする理由のひとつが、参考書や教科書が豊富なことです。日本で購入できる中国語のテキストの多くは、ピンインで学ぶことを前提に作られています。
台湾人は発音記号に注音を使用しますが、台湾で作られている台湾華語の教科書にも、ピンイン表記が必ずあります。
外国人が中国語を学ぶ際はピンインを学ぶのが定番のためです。
また、中国語勉強アプリもピンイン対応のものがほとんどです。
ピンイン対応のアプリは、初期設定では簡体字になっていますが、ほとんどの場合、簡体字と繁体字の切り替えが可能です。
関連記事:台湾華語の発音を学ぶアプリ
ピンインで学ぶと学習スピードが上がる
また、ピンインで学習すると、学習スピードがあがります。
注音記号の場合は、「ㄅㄆㄇㄈ」といった発音記号を一から覚えてから、やっと文字を読むことができますが、ピンインの場合はローマ字を使うため、初めて中国語の勉強を始めたときから読み方がわかります。
また、ピンインで発音を覚えていく方が圧倒的に覚えやすい特徴があります。
ピンインは、日本語の50音と少し似ており、基本の母音と子音を組み合わせて漢字の発音を表します。
語学学習では、独自の発音記号でつまづくことが多いので、ローマ字で覚えられると学習スピードが上がります。
ピンインでも正しい発音は学べる
台湾では「注音のほうが正しい台湾華語が学べる」という方が多いのですが、ピンインでも正しい発音が学べます。
「注音を勉強したほうが良い」と台湾の方から勧められるのは、反中感情も関係しており、ピンインが優れていないというわけではありません。
ピンインは、ローマ字で表記するため、見てすぐに「大体どのような発音になるか」は分かります。しかし、もちろんそのままローマ字読みすれば通じるわけではなく、ローマ字で表記されるピンインは、36個の母音と21個の子音に分かれています。
さらに、同じ母音であっても、子音によって母音の一部が変化したり、消えるなど複雑なルールが多く存在しています。ピンインだから簡単、というわけでもないのです。
簡単な例に「こんにちは」の意味である「你好(nǐ hǎo)」をあげます。
ピンインでは、子音である「i」と「ao」の上に声調記号(3声)がついていますが、注音では母音と子音の真ん中あたりに位置が来ています。
ピンインでも繁体字と簡体字の両方を入力できる
ピンインは、簡体字を使用する地域で使われている入力方法ですが、繁体字の入力・変換も容易にできます。スマホのiPhone / Androidはもちろん、どのPCでもピンイン入力+繁体字表示の設定を選ぶことができます。
注音を学ぶメリットは?
これらのメリットから、日本人はピンインで台湾華語(中国語)を学習するのがおすすめです。
しかし、注音を学ぶメリットもあります。
注音は、台湾でメジャーな発音記号です。
台湾では学校教育で注音を学ぶため、注音記号そのものや、注音を使った読み方が台湾社会に根付いています。
台湾でしか使われない発音記号のため、台湾を象徴する存在となっており、グッズのデザインなどに度々器用されるほど愛されています。
台湾人には、台湾人のアイデンテティがあります。
現在は、若い人を中心に「中国とは違う、自分たちは中国人ではない、簡体字は嫌いだ」と思っている人が多くいます。
そんな台湾で、注音が使えると、簡体字やピンインを毛嫌いしている台湾人からは喜ばれるでしょう。
また、実用的な面では、稀に台湾国内には注音でしか文字の入力ができない端末(古いカラオケ)が存在するなど、注音が使えると便利になることは間違いありません。
台湾華語(中国語)を勉強しはじめたばかりの方は、注音が必要になる機会は少ないかもしれませんが、覚えておいても損はありません。
注音を学ぶなら、アプリを使った学習方法がおすすめです。
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まとめ
日本人が中国語を学ぶ際には、ピンインから学ぶほうがスタートダッシュが早くなります。
台湾でメジャーに使われている「注音」は、中国語初心者が理解するのは難しいですが、台湾社会により深く溶け込めるなどのメリットもあります。
まずはピンインから勉強をはじめ、興味を持ったらぜひ注音も学んでみましょう。