台湾の大学は近年、英語・中国語で学べるプログラムや奨学金制度を充実させ、外国人留学生の受け入れを積極的に行っています。なかでも日本人は年間約8,500人が台湾に留学しており、台湾の外国人留学生の中では4番目に多いです。
基本的に筆記試験はなく、完全オンラインで申請が完了するので手軽である一方、日本とは出願の方法が異なるので注意しましょう。
本記事では、外国人学生が台湾の大学へ入学するための流れ、申請時期、必要書類などをまとめ、初めての方でも理解できるように解説します。
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台湾の大学へ進学するメリットとデメリット
台湾留学のメリット
台湾の大学には日本とは異なるいくつかの特色があります。
⑴ トリリンガル人材になれる
中国語の授業だけでなく、英語で行う授業も提供されている上、全て英語で授業を行う全英課程の学科もあります。日常生活で中国語を使用するため、日本語・英語・中国語のトリリンガル人材を目指すことが可能です。
⑵ 豊富な選択肢
総合大学には25~60の学科が設置されており、学習の選択の幅が広いです。日本にはない学科、台湾の強みを活かした先進的な学科も用意されているため、日本ではできない自分の可能性を探求するのに適しています。
⑶ 高い教育レベル
外国人枠を活用し、日本の一般受験で目指す適正よりも高いレベルの大学に進学できる可能性が高いです。世界大学ランキングの上位校も多くグローバルな環境で高水準の教育を受けることができます。
⑷ リーズナブルな学費と生活費、返済不要の奨学金制度
台湾の大学の学費・生活費は日本や欧米に比べてリーズナブルです。国立、私立に関わらず、年間の授業料は50万円前後となり、日本の約半分です。さらに外国人向けの奨学金制度は各大学で充実しており、成績が優秀な生徒にに対する寮費や学費の免除、返済不要の給付型奨学金など多様に用意されています。
⑸ 暮らしやすい学習環境
台湾は気候が温暖で治安も良い上にインフラ、医療制度も充実しております。同性婚の制定を始めとして、ジェンダー平等の意識が高く、菜食主義、宗教といった多様なアイデンティティへの理解が浸透しています。
台湾留学のデメリット
一方で、いくつかのデメリットもあります。第一に挙げられるのが言語の壁になります。ただ、これは台湾に限らず、どこの国であっても留学生が乗り越えるべき課題であるため、気にする人は多くはないはずです。
日本人が抱く台湾特有の問題としては食事の好みが挙げられます。台湾は美食の国として有名ですが、好みが分かれます。特に漢方食品の八角、香味として用いられるパクチー、油っこさと炭水化物に偏った料理が代表的です。
しかし台湾は日本の商品、日本食レストランが浸透しているため、苦手な味の条件に当てはまらない台湾料理を探すか、日本食などで回避しましょう。
日本人が台湾の大学の入学する方法
外国人が台湾の大学に入学する場合、外国人留学生の身分で入学することとなり、台湾人の入学とはルートが異なります。筆記試験はなく、申請資格を有していることを証明できる書類の提出と審査、面接を経て合格となります。
日本とは異なり9月入学が基本です。国立は前年の冬から申請が始まり、翌年の春ごろに締切です。私立であれば夏ごろまで募集している大学があります。
申請資格については台湾とのミックスルーツで現在も台湾国籍を有している場合、外国人留学生として入学申請は出来ません。台湾国籍を放棄している、または台湾国籍をかつて有していた場合は、通常の外国人枠とは別に華人身分専用のルールがありますので注意が必要です。
申請は完全オンラインで行われます。筆記試験はありませんが、代わりに高校・大学の成績、自伝(自身の自己形成の背景、個性や実績をアピールする文章)、学習計画書(目標を実現するために立てる大学での学習計画)によって審査がされます。申請には最低限(通常はCEFR A2程度)の中国語(台湾華語)の能力が求められるので入学前年の冬までには試験を受けておく必要があります。
つまり、出願のために時間をかけて準備しておく必要があるのはTOCFLという台湾の中国語能力を測る試験のスコアと自伝・学習計画書になります。その他にも学校や語学学校からの推薦書、成績証明書などの代表処での認証、銀行の残高証明書など、短時間では用意できない書類があるので、余裕をもって準備しておきましょう。
出願資格と必要書類
出願資格
台湾行政院の「外国人学生入学規定[1]」に基づき、以下が基本条件です。華僑学生に関してはまた別の規定が適応されます;
- 外国籍であり、中華民国国籍を有しないこと(あるいは国籍喪失から8年以上経過)
- 直近6年以上海外に連続居住していること(医学系は8年以上)
- 僑生(華僑学生)として台湾の学校に在籍した経歴がないこと
学歴条件は以下になります;
-
学士課程:高校卒業(12年の教育課程修了)
-
修士課程:学士号取得
-
博士課程:修士号取得
必要書類
以下が大学への出願に必要となる一般的な書類の一覧です。
出願期間
9月入学
台湾の大学は、主に9月入学(秋季班)と2月入学(春季班)の2つの入学時期があります。諸外国同様、9月の秋入学が一般的であり、2月の春入学は学士課程の募集がなく、大学院の募集のみの大学が多いです。
募集要項(簡章)の発表時期
多くの大学では 前年8月〜翌年1月頃 に9月入学の募集要項(簡章)が公開されます。言語は中国語か英語のものがメインとなり、日本語版の募集要項がある大学はほとんどありません。ルールは基本的に大きく変更することはないため、発表までは基本的に昨年度の資料を基に準備を進めてOKです。
しかし、大学や学部によっては申請可能な期間、言語能力の規定、財力証明書のルール、書類の認証などが変更されることもあるので、必ず発表された募集要項はチェックしましょう。
さらに、大学の国際事務所とのやり取りにおいても、急なルールの変更、相手によって返答が異なること、事務側がルールを把握していないことなどのトラブルで事務的な手続きに混乱が生じることが少なからずあるため、やはり留学エージェントを介して早めに準備しておく方が無難です。
出願期間の目安
国立大学はたいてい前年10月から翌年2月頃が秋入学の申請期間で、最も早いです。例えば、国立台湾大学へ2026年9月に入学したい場合、一次募集は2025年10月1日~11月13日で、二次募集は2025年12月1日~2026年1月15日となります。
私立大学の場合は国立に比べて申請期間が長く、前年12月頃から翌年の6~7月まで募集している大学もあります。例えば、私立逢甲大學へ2026年9月に入学したい場合、一次募集は2025年12月17日~2026年3月4日となり、最後の四次募集は2026年6月12日~7月8日となります。
多くの大学で複数回の募集が行われており、基本的に準備が整った二次募集以降の方が受験者の語学のスコア、自伝、学習計画書のレベルが高くなるため、一次募集から早めに準備することをおすすめします。
実際の申請の流れ
⑴ 中国語の勉強を開始(高校2年次夏~高校3年次夏)
中国語学習については以降のどのステップでも継続的に続けましょう。出願の締め切りまでに、定期的に開催される台湾華語の検定試験(TOCFL)を受けてそのスコアを大学に提出する必要があります。英語の能力が既にあり、全英課程を選択する場合は中国語は不要です。
中国語の勉強を始めるタイミングは志望校のレベル及び目標スコアによって異なります。
国立大学志望の場合は高校2年生夏休み、遅くとも高校3年生の夏休み前から受験勉強(中国語学習)を開始します。
私立大学の場合は申請期間が比較的遅めに設定されていますが、高校3年生の夏休み前には勉強を進めましょう。
検定試験は複数回を受験し、出願締め切りまでに最もスコアの高いものを提出できます。その際は受験と成績発表及び証明書発行のタイミングにズレがあることに注意しましょう。TOCFLは成績発表の日と同時に、大学へ提出する電子証明書が受験者専用ページでダウンロードが可能になります。
成績の発表は試験から約一か月後になるため、目安として出願締切の1〜1.5か月前にTOCFLを受験するのがよいでしょう。とはいえ、日本でのTOCFLは試験回数が多いわけではないので、出願締め切りぎりぎりの日程で受けれるとは限りません[2]。以下の関連記事で試験の詳細、スコアの確認方法、日程などを確認できます。
⑵ 志望校の決定(前年8月~前年12月)
受験校は本人が興味のある分野から、入学したい大学と学部を絞り込むことから始めます。
日本の入試同様、挑戦校・相応校・滑り止め校の3校をバランスよく受験するのをおすすめします。台湾の大学受験が始まる前の受験前年9月から12月までには決定しておきましょう。
⑶ 各受験校で必要な資料を準備(前年9月~前年12月)
受験校の出願期間に合わせて必要書類を準備しておきましょう。用意すべき資料は大学によって異なりますが一般的なものはこちらのページの「必要書類」の欄を参考にしてください。
最終学歴証明書、成績証明書は高校に依頼して英文で発行してもらいましょう。教員からの推薦状が日本語の場合は翻訳が必要な場合があります。台湾TALKでは書類の翻訳サポートも承っているので、お困りの方は公式LINEからご連絡ください。大学によっては書類が正式なものであることを証明する「認証」という行程が台湾代表処で必要になることもあります。これについては以下のページで解説しているので参考にしてください。
出願時に高校在学中の場合は卒業見込証明書か在学証明書を発行し、合格が決まったあとに正式な卒業証明書を提出するパターンが多いです。
財力証明書は銀行から英語の残高証明書を発行してもらいましょう。約1~2週間で自宅に郵送されます。要求される財力も大学によって多少の前後はありますが、日本円で約80万円程度があれば十分です。親の残高証明書を用いる場合は別途、大学が用意した様式の書類あるいは本人との関係を証明する戸籍謄本が必要になることもあります。
⑷ 自伝・学習計画書の準備(前年10月~3月)
自伝と学習計画書は筆記試験の代わりとなるものであるため、受験者がもっとも時間をかけるべき重要な資料となります。
自伝は本人の生い立ち、学習背景、自己形成の過程を書き、長所をアピールする資料です。他にも台湾留学を決めた動機、将来の目標を述べることでもう一つの資料である学習計画書と関連させると完成度が高まります。
学習計画書は卒業後の具体的な目標を提示し、それを実現するための大学1~4年次までの学習計画を詳細に述べる資料です。その他にも大学・学部の特色、課外活動、インターンシップなどについて書いて内容を補強します。
どちらもノウハウがわからないと高い完成度のものを書き上げるのは難しいと思います。お困りの際は、台湾TALK正規留学サポートの利用をおすすめします。まずは日本語で、専門の講師による添削と受験者本人の修正を複数回繰り返し、受験者の個性に合わせた自伝と学習計画書を完成させ、最後に翻訳する流れになります。
台湾の大学院に合格した経験のあるスタッフが添削を行うため、修士課程及び博士課程の研究計画書の添削も可能です。
⑸ 志望校へのオンライン出願(前年11月~5月)
志望校の外国人受験者専用ページから必要書類をPDFあるいはJPEGで提出しましょう。紙の資料はスキャンしてデータにすればOKです。
募集要項から必要書類、日程を確認して間違いがないように注意しましょう。一次、二次ともに同じ学部に受験することが可能です。なるべく競争率の低い一次募集から受験できるようにするとよいです。一次、二次どちらか一方の期間のみ出願可能な学部もあるため、募集要項の確認は重要です。
⑹ 面接・二次試験(3月~4月)
難関国立大学の一部の学部では書類審査の合格者に面接や二次試験が課されることがあります。こちらも募集要項に書いているので確認しておきましょう。
内容に関しては基本的な質問から自伝・学習計画書の内容に即した質問などです。台湾TALK正規留学サポートでは、台湾人講師が過去の面接のパターンを踏まえた実践的な面接対策も実施しています。
⑺ 合格発表(3月~7月)
3月から7月までが大学の一般的な合格発表期間です。
合格発表は大学の国際事務所のHPで行われ、大学内部の奨学金も同時に発表されることが多いです。その後、日本に入学許可証が届くので、渡航準備をはじめましょう。
⑻ 学生ビザの申請(7月~8月)
海外への長期滞在にはビザが必要です。正規留学の場合は台湾の代表処(大使館の役割を持つ機関)に学生ビザの申請を行います。
申請には大学の入学許可証が必要です。合格発表から数週間後、大学に登録した日本の住所に入学許可証が届くので、そちらが届き次第いつでも申請が可能です。詳しい申請手順については以下を参照してください。
⑼ 台湾へ渡航(8月下旬~9月)
大学の入学時期である9月までに台湾へ渡航します。健康診断や寮の手続きなどもあるため、入学式のタイミングより少し前に渡航することになります。
台湾TALKでは出願後もビザ、居留証、物件探し、空港ピックアップ、銀行口座の作成、Sim(携帯電話)の契約といったアフターサポートも充実しています。さらに、入学前に語学力を高めたい方、台湾生活に慣れてより良いスタートダッシュを切りたいといった理由で、8月に台湾TALKの台中校で宿泊型短期留学をする学生も多くいます。
まとめ
本記事では、日本人が台湾の大学に外国人留学生として進学するための方法を解説しました。
台湾の大学は近年、英語・中国語で学べる課程や奨学金制度を充実させており、入試は日本のような筆記試験ではなく、オンライン出願による書類審査が中心です。
TOCFLなどの語学スコアの取得、自伝や学習計画書の作成、成績証明書や財力証明などの書類準備です。特に語学試験と自伝・学習計画書は合否を左右するため、早めの準備が不可欠です。
出願情報のリサーチや自伝・学習計画書の書き方などの入学準備から、入学後のビザの申請などで困ったときは、ぜひ台湾TALKの「正規留学の大学・大学院入学サポート」をご利用ください。書類のサンプル提供から添削から入学後のサポートまで幅広く対応しております。
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脚注
[1] 行政院_外國學生來臺就學辦法 ↩
[2] TOCFL 台灣華語能力測驗 ↩

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