台湾の大学に入学が決まったあとは、日本の台湾代表処で学生ビザ(留学ビザ)の申請手続きをする必要があります。
代表処で学生ビザの申請が可能になるのは6月15日(9月入学の場合)からです。台湾の大学から入学許可証が届いたらいつでも手続きができます。
この記事では台湾に正規留学をする学生向けにビザの申請方法をまとめます。事前にやっておくべきこと、申請時の注意点、申請書の記入方法など詳しく解説するので、正規留学が決定した学生の方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
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必要書類
公式HP[2]の「六、正規留学(大学、修士、博士課程)・交換留学(半年以上)」を参考にして必要書類をそろえましょう。
正規留学と交換留学では必要書類が異なるので注意してください。長期滞在向けのビザは大きく二つに分かれ半年以内の滞在であれば「停留ビザ」、半年以上の滞在であれば「居留ビザ」になります。
※交換留学の場合は所属学校の「在学証明書原本」を提出します。
※交換留学の場合は不要。
健康診断書の様式はこちら。
・申請者が申請月から遡って6ヶ月分かつ全ての期間において50万円以上預金されている必要があります。
・親の名義の取引明細(入出金明細)書を提出する場合は、別途、親子関係が分かる戸籍謄本を提出してください。
・「台湾奨学金」を受けた方は、代わりに奨学金証明書の原本とコピー1通を用意してください。
・形式に指定はないため、通帳のコピーや写真を撮ってもかまいません。
※交換留学の場合は不要
現金のみ
※日本国籍以外の方(代理申請の場合は両面コピーのみ)は「 在留カードの原本および両面コピー」が必要です。
学生ビザ申請時の注意事項
入学許可書について
学生ビザの申請には入学許可証が必要ですが、進学の意思表示をしないと入学許可証が自宅に届きません。そのため大学側に入学の意思表示を事前にお願いします。
入学意思の回答は「大学の申請システム」または「メール」によって行いますが、どのようにすればよいかわからない場合は台湾TALKにご相談ください。
健康診断について
各管轄により規定が異なりますので、必ずご自身の管轄の代表処の規定に従って手続きを行ってください。ビザ用の健康診断書は規定の様式があるため、代表処HP[3]からダウンロードしてから病院の予約をしましょう。
健康診断はGoogle Mapなどで「トラベルクリニック」と検索すれば出てきます。近隣の病院、トラベルクリニックで検査項目(X線・梅毒・麻疹・風疹)の健康診断を実施しているかどうか、問い合わせてから予約してください。
費用は約15,000円~20,000円で、場所によっては予約に1ヵ月かかる上に、診断書の発行までに1週間ほど要するところが多いです。そのため早めの準備をおすすめします。
学生ビザの申請に必要な健康診断については別の記事でまとめておりますので、こちらを参照してください。また、留学中の健康保険について知りたい方はこちらを参考にしてください。
銀行発行の取引明細書
申請月から遡って、6ヶ月分かつ全ての期間において50万円以上預金されている事が必要です。ご両親の講座も使用できますが、その場合は別途、親子関係が分かる戸籍謄本も提出しましょう。
卒業証明書・成績証明書の認証
多くの大学では入学決定後に代表処で「認証(正式な書類と認める手続き)」を受けた卒業証明書・成績証明書(場合によっては財力証明書も)の提出が必要になります。
代表処が遠い場合など、何度も行くことが難しい場合は学生ビザの申請と同時に済ませおくことがおすすめです。学生ビザの申請とは異なり、台湾の大学に提出する書類であるため、英語あるいは中国語のものが必要になります。学校によっては必要書類が違うので、学校の案内に従って準備しましょう。
認証をする場合は事前に代表処HPから「文書証明身分證明申請書[4]」をダウンロードし、必要事項の記入をしておきましょう。申請費用は書類1件につき、2300円になります。郵送での対応も行っているので、学生ビザ申請の際に認証の手続きができなくても大丈夫です。
代理申請の場合
学生ビザ及び書類の認証は本人でなくても代理人が申請できます。
代理申請の場合は代理人の身分証明書とその写し(パスポートか免許証)が必要(代理委任状不要)。日本国籍以外の方はパスポートをご用意下さい。
急ぎで申請をしたい場合
HPには「所要日数:約一週間(状況によりそれ以上の日数を要する場合もある)」とありますが、緊急で学生ビザの申請を済ませたい場合は「お急ぎ追加料金」を支払って所要日数を短縮できます。追加費用は正規留学の「居留査証(シングル)」の場合は5100円になります。
ビザ申請書の記入方法
1. 最新消息(最初の画面)
ビザ申請書作成フォームのリンクを押すと最初に出てくる画面です。
・「最新消息」:こちらは感染症等の発生状況に応じてアナウンスされます。2025年6月時点で、こちらには「非台湾国民が台湾国内で新型コロナウイルスに感染した場合、隔離期間中の医療費は自己負担になること」と「ポリオウイルス(OPV)の感染リスクの高い国からの申請者及びその国に4週間以上滞在した者はポリオウイルスのワクチンの接種証明書を提出すること」の二点が書いてあります。確認してチェック欄をクリックしましょう。
・「免責聲明」:案内の通り、「個人情報に関する免責事項」と「申請書の情報は他の資料の情報と一致させること(赤字部分)」と書いてあります。
上記に問題なければ「確認及繼續(Confirm & Continue)」を押して次の画面に行きます。
※画面右上で中国語/英語の言語切り換えが可能です

2. 請選擇申請項目
正規留学の学生の場合、「一般簽證」の「申請簽證」を選択します。あとで変更がある場合は「編輯/列印(編集/印刷)」から、申請番号とパスポート番号を入力すれば変更が可能です。申請完了後はビザ申請書のダウンロードもこちらからできます。

3. 訪臺資料
上から順に国籍、停留日数、訪台目的、認証番号を入力します。
正規留学の場合、停留日数は「180天以上(180日以上)」、訪台目的は「就學(正式學位)※交換留学の場合は別で選択肢があります」となります。

4. 個人基本資料
こちらでは名前や生年月日などの基本情報を入力します。
上から順に苗字(英字)、名前(英字)、旧姓・その他の名前(あれば)、中国語の名前、生年月日、出生地(市)、出生地(国)、性別、婚姻状況を記入します。
英字での名前はパスポートの記載通りに入力しましょう。「中文姓名」の欄は日本の漢字名を記入します(苗字と名前の間の空白は不要です)。「出生地點」は出身地の都道府県名を記入します。

5. 護照資料
こちらではパスポートの情報を入力します。
上から順にパスポートの種類、パスポート番号、発行年月日、有効期間満了日、発行場所(機関)、国籍、過去の国籍(あれば)を記入します。
「舊有或其他國籍(如有)」では、過去に別の国の国籍を持っていた場合のみ国名を選択します(初期設定で「無」となっています)。

6. 通訊資料
こちらでは自分の連絡先についての情報を入力します。
上から順に日本の住所、日本の電話番号、台湾の住所、台湾の電話番号、メールアドレスを記入します。
住所は日本の漢字で構いません。
台湾の住所・電話番号がまだない場合は、大学の寮の住所と大学の国際事務(外国人用の窓口)の電話番号で結構です。

7. 訪臺有關資料
こちらでは台湾への渡航に関する情報を入力します。
上から順に台湾渡航歴、以前台湾を訪れた目的(渡航歴に「有」と回答した場合)、予定到着日、予定帰国日、台湾就学について、留学先の大学(学部)、最高学歴の学校名称、台湾の連絡先(名前)、台湾の連絡先(電話番号)、台湾の連絡先(続柄)を記入します。
台湾に旅行をしたことがある場合は「觀光(観光)」を選択しましょう。ない場合は「無」で結構です。台湾への予定到着日は飛行機のチケットをまだとっていない場合、だいたいの目安を記入しましょう。予定帰国日は学士課程なら4年後に設定すれば大丈夫です。台湾就学についての欄は学士課程なら「學士班」、修士課程なら「碩士班」、博士課程なら「博士班」を選びます。留学先の大学は大学名と学部・学科を書けばよいです。
台湾の連絡先ですが、台湾に知人や親戚がいない場合は大学の国際事務あるいは学部の事務員の担当者名と連絡先を書きましょう。


8. 安全及背景資料
こちらは台湾の安全保障上の確認になります。ほとんどの方が「否(No)」になると思います。
質問事項は以下になります。国内外での犯罪歴または台湾から入国拒否・出国命令・強制退去の経験があるか、不法入国をしたことがあるか、公共衛生または社会秩序を害する恐れのある感染症・精神疾患・薬物依存症等を患っているか、台湾でのオーバーステイ・不法滞在・不法就労の経験があるか、規制薬物取引に関与したことがあるか、代表処でビザの発給を拒否されたことがあるか、他の名前で台湾のビザを取ったことがあるか、台湾国内で働いたことがあるか、です。
どれか一つでも「是(Yes)」がある場合はビザの発給資格が認められない可能性が高いため、代表処に直接問い合わせましょう。

9. 簽證申請館處
こちらではご自身の所轄の代表処を選択します。
上から順に地域、申請する代表処、申請人を記入します。
申請する代表処は選択肢なので問題ないかと思いますが、お間違えのないようご注意ください。
代理人が申請する場合は追加で代理人の情報を入力します。入力内容は上から順に、代理人名前、代理人続柄、代理人電話番号、代理人住所、代理人メールアドレスとなります。

10. 申請完了
これで「送件」を押せば、学生ビザ申請書の記入は完了です。こちらの画面に出てくる19桁の申請番号(一般簽證案件申請暫存編號)は控えておきましょう。本記事の「2. 請選擇申請項目」で「編輯/列印(編集/印刷)」を押すと、こちらの番号とパスポートの番号の入力で申請書の編集とダウンロードが可能です。

11. ビザ申請書のダウンロードと印刷
ビザ申請書は代表処の申請ページから本記事1-10のステップで申請者情報を入力したあとにダウンロードできます。
ビザ申請書をプリントアウトしたら、
・署名欄にサイン(パスポートの署名と同じもの)
・証明写真の貼り付け(1枚は貼らずにそのまま提出する)
を行います。詳しくは代表処HPの注意事項[7]を参考にしてください。
学生ビザ取得後にやるべきこと
渡航時期について
渡航時期や入寮可能時期については大学からお知らせがありますので、その指定日に航空券を取得するのがおすすめです。
学費・寮費の支払いは8月末前後になります。こちらについても大学からメールで案内が来ますので、こまめにメールをチェックするようにしてください。最初の(入学金はございません)。
現地での健康保険について
現地に到着して居留証の申請・受け取りを済ませてから6か月後に、台湾の国民保険に加入することができます。それまでの期間は、大学の保険に加入となります。そのため、基本的には任意保険に加入する必要はありません。詳しくは「台湾留学の保険はどうする?台湾の健康保険も解説」を参考にしてください。
渡航までに用意しておいた方がいいもの
その他に渡航までに用意しておく必要があるものは以下になります。
①SIMロックされていないスマートフォン
現地で新たにSIMの契約を行うため
②クレジットカード・プリペイドカード・国際キャッシュカード(2枚以上)
海外でキャッシング手数料が少なく、レートもよいのでおすすめです。
③卒業証明書・成績証明書・財力証明書を代表処にて認証した書類の原本
学校によって必要書類が違います。案内がありますのでそちらに従ってください。認証は郵送も対応しています。
まとめ
学生ビザの申請は健康診断や申請書の記入など事前にやることもいくつかあるので、なるべく早めに終わらせるのがおすすめです。
特に健康診断は分からないところも多いと思うので、「台湾留学に必要な健康診断はどんなもの?|費用と受けられる場所について紹介」を参考にすればスムーズに進められると思います。
学生ビザさえ取得できればあとは渡航するだけです。入学時にベストなスタートダッシュを切るために、台湾TALKの台中校で短期語学留学を行うのもおすすめです。人数に限りがありますので、早めにお申し込みください。
学生ビザの申請や大学の入学手続きにつまずいたら、いつでも公式LINEにお問い合わせください。
みなさまの留学生活が充実したものになることを願っています。
脚注
[1] 台北駐日経済文化代表処_各駐日代表処管轄範囲及び連絡先 ↩
[2] 台北駐日経済文化代表処_居留査証(ビザ)必要書類 ↩
[4] 台北駐日経済文化代表処_各種文書認証必要書類一覧表 ↩
※各代表処によって情報のブレがあります。そのため、詳細はご自身の管轄の代表所の情報をご確認ください。